オイルヒーター / オール電化住宅における暖房
オイルヒーターとは、難燃性の性質を持つオイルが入った容器をヒーターで暖めて、そのオイルに蓄熱を行い、その熱を自然対流により部屋を暖める暖房器具で欧米では主流となっている暖房器具です。構造が単純なことからメンテナンスがほとんどいらない点などが評価され、近年日本でも普及し始めている暖房器具です。
オイルヒーターのメリット(長所)
オイルヒーターのメリットとしては
- 空気を汚さない
- 自然対流によりゆっくりと部屋が暖まり長時間暖房効果が続く
- メンテナンスが不要
- 運転音が静か
- 事故のリスクが低い
などが挙げられます。暖房の効き目はやや悪いですが、一度部屋が暖まると暖房効果は持続しますし、燃焼を伴わない暖房ですので空気を汚しません。さらに、器具としての構造は単純ですので故障が少なく、またメンテナンスもほとんど不要です。このほか、器具自体も高温にはならないことから、事故防止といった観点からもメリットが挙げられます。
オイルヒーターのデメリット(短所)
オイルヒーターのデメリットとしては
- 電気代が高い(消費電力が大きい)
- 暖房効果が得られるまでに時間がかかる
- 気密性の低い日本式住宅には向かない
などが挙げられます。オイルヒーターはオイル(油)をあたためて、その熱をもって部屋を暖める暖房器具ですので、温まるまでにかなりの時間を必要とします。また、そもそもの構造上非常に省エネな商品というわけではありませんので、消費電力が温まり度と比べて高いのもデメリットといえるでしょう。
また、風を出す暖房器具ではありませんので、熱が部屋の上部にこもってしまいがちです(こういった場合はサーキュレーター(空気循環のための扇風機)を使うと良い)。
また、オイルヒーターはそもそも気密性の高いヨーロッパで開発された暖房器具です。ヨーロッパの建築物はレンガなど比較的気密性の高い建築素材で作られていますので、部屋の温度が外に逃げるということは少ないのですが、日本家屋の場合夏のジメジメ予防のため比較的気密性の小さい素材で作られている家が多いというのもデメリットです。
この場合、暖まった空気が外に逃げ出てしまいますのでオイルヒーターの暖房効果が薄れてしまいます。(ただし、近年の住宅やマンションなどは気密性の高い住宅もありますので、そうした物件ではオイルヒーターを効率的に利用することができます)
オイルヒーターの活用法
メリット・デメリットを踏まえた上でオイルヒーターを活用する場合、基本的には気密性の高いマンションでサーキュレーターなどと一緒に使うのが望ましいといえます。オイルヒーターは熱が比較的部屋の上部に貯まりやすいので、洋式の生活スタイル(椅子に座る・ベッドに寝る)などの環境に適しているといえます。
暖房として温まるスピードは遅いので、タイマーなどを活用して生活スタイルに合わせた運用をする必要があります。