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太陽光発電の売電と所得税(税金)

太陽光発電で作った電力は電力会社に「売電」して利益を得ています。こう考えるとその収入は「所得」であるとみなされます。所得を得た以上は税金を支払う必要がある?ここではあまり注目されていませんが、太陽光発電システムによる売電とその売電によって得た収入に対する所得税(税金)について解説していきます。

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太陽光発電システムにおける売電は収入になるか?

税務署に確認したところ、売電による収入は所得となるそうです。所得区分は「雑所得」となり、売電によって得られた収入から必要経費(設備投資の減価償却を含む)を差し引いたものが所得となるそうです。

注意点:下記には税務に関する記述がありますが管理人は税理士ではありません。そのため、個別の税務相談には一切応じることは出来ません。下記はあくまでも一例です。
詳しく知りたい方は、最寄の税務署や税理士にお尋ね下さい。

 

2010年現在、1kWhの発電量に対して48円で電力会社に売電ができます。仮に一3kWの標準的な太陽光発電システムを設置した場合、1年間におよそ3400kWhほどの電力を発電することができます。
発電した電力のうちおよそ8割を売電(2割は自家消費)したとして、売電額は3400×0.8×48円=130,560円というように計算することができます。

この130,560円が収入です(所得ではありません!)

次に、この所得を得るためにかかった経費を考えていきましょう。

太陽光発電システムを運用するにあたって、おそらく特段のランニングコストはかかっていないかと思います。そのため、運用経費はほぼゼロとなるでしょう。ただし、太陽光発電システムは導入時に多額の費用をかけています(税法上は資産の購入となります)

この費用(資産の購入)は減価償却という方法で毎年一定割合ずつを経費とすることができます。仮にシステム購入費用としてとして210万円をかけていたとします。

税法上では、この購入した資産を一定の割合(法定耐用年数)によって分割して経費化することができるのです。このケースでは210万円のシステムを導入していますので210万円が資産となりますが、先ほど発電した電力の2割が自家消費されているとしましたので、そのうちの2割は経費算入することができません。よって税法上の償却資産は168万円ということになります。

この168万円を法定耐用年数で割ったものが1年間に経費として認められる金額です。
ただし、この太陽光発電システムについては明確な耐用年数が定められていません。(税務署に確認しても「うーん」という回答でした)

仮に15年としましょう。この場合は168万円÷15=11万2千円が1年間の経費として認められます。(注意:償却期間は「電気設備(その他のもの)」の耐用年数で計算していますが、場合によっては別の償却資産とみなされる場合もあるので、所管の税務署にご確認下さい。)

税法上の所得は、収入-経費です。

そのため、130,560円(収入)-112,000円(経費)=18,560円となります。つまり、1年間の所得は18,560円となるわけです。ただし、耐用年数を超過した場合、つまり16年目からは収入が丸々所得となるので注意が必要です。

この所得に対して税金がかかるわけです。ちなみに、雑所得の場合は年末調整は利用できませんので、個別に確定申告をする必要があります。

以下に例外がありますのでご参考までに。

・給与所得者の場合、主たる所得以外の所得が20万円以下の場合は申告不要
ただし、年収2000万円超、2箇所以上から給与をもらっている方は申告が必要となります。また、別の目的で確定申告を行う場合は申告の必要があります(非課税ではなく、あくまでも申告不要)

・年間の基礎控除の範囲内であれば非課税・申告不要
給与所得も含む全ての所得が基礎控除の金額内38万円以下であれば当然太陽光発電システムで得た所得も非課税の範囲内なので申告不要です。ただし、例えば、アルバイトやパートで35万円の所得を得た人が、太陽光発電システムで3万円を越える年間所得があった場合は当然確定申告・納税が必要になります。

 

まとめ:当面は申告不要という方が多いと思います

まとめとしては、太陽光発電システムの売電額も設備投資(システム導入費用)が控除できることから、ほとんどの方のケースで申告不要となることが多いかと思います。
そのため、すぐに問題化することは少ないでしょう。現時点では税務署・課税当局側も明確な統一ルールが定まっていないようですが、そのうち普及にしたがってルールを定めてくると思います。

 

この記事は2010年11月時点での執筆となります。最新の情報は国税局ホームページや税務署・税理士に問い合わせるなどしてご確認のほどよろしくお願いいたします。

 

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